人間の手で飼育され出荷まで管理される肉類と異なり、魚は一部養殖魚を除けばほぼすべてが天然で漁獲されたものです。
そのため漁法や漁獲場所、取り扱い等によって同じ魚でも品質が全く異なる場合が多々あります。
市場で働く魚のプロ達は長年の経験からそうした善し悪しを自分で判断し、自ら適正な価格を付け取引を行います。
しかし、おおよそのコツをつかめば一般の方でも簡単に魚の鮮度を判別できるようになります。
まずは以下のポイントを抑え、慣れてくれば自分で魚の善し悪しを判断するようにしましょう。
・目を見る
まずは魚の目の色を見てみましょう。
釣りあげたばかりの魚の目は真っ黒な色をしています。
これが時間が経つにつれて白く変色していきます。
水揚げから数日経過している魚は色が真っ白に変色しているのですぐに分かります。
・表面のぬめりを見る
当然ですが、魚は生きているときは水の中にいます。
この際魚は表面からぬめりを出しています。
しかし、時間が経つにつれて表面の水分とともにこのぬめりも乾いてしまいます。
表面がからからに乾いており、ぬめりがまったくない魚は水揚げから時間が経過している証拠です。
・エラを見る
魚はエラから海水を体内に取りみ呼吸をしています。
よって海水中の雑菌等はまずエラに付着するため、エラが時間が経つにつれて最も変色しやすい部位といえます。
新鮮な魚は真っ赤な色をしていますが、時間が経つにつれて茶色から黒色に変色してしまいます。
魚を見る際は、エラの色が赤い物から選ぶようにしましょう。
・表面の色
魚は時間が経つにつれて表面の色が変色していきます。
まずは全体的に白身を帯びてゆき、やがて脂のある魚ならば腹の部位が黄色く変色します。
ただ魚の表面は、エラや目のようにすぐに変色するわけではありません。
表面の色が変色しているということは、相当古い魚である証拠です。
こうなっている場合はもう購入するのをやめた方がいいでしょう。
・腹を触ってみる
新鮮な魚の腹にはある程度の弾力がありますが、時間が経っている魚のお腹は非常に柔らかいです。
これは魚の内臓部分の劣化速度が速く、時間の経過とともに溶け始めているためです。
身も時間が経つにつれて柔らかくなりますが、2、3日程度ではそこまで柔らかくなることは少ないです。
多少抵抗もあるかもしれませんが、魚を触る際は腹の部分を触り、弾力を調べてみましょう。
いかがでしょうか?
市場のプロ達はこの要点をしっかり押さえ、あとは長年の経験を頼りに魚の目利きを行います。
彼らはさらに魚体を見ただけで脂がのっているかどうかも判断できますが、そこまでいくには相当の年月が必要です。
まずは魚の基本である鮮度の良し悪しを判断できるようになりましょう。
次に切り身の状態での判断方法を述べさせていただきます。
・血合の色を見る
新鮮な状態の血合肉はきれいな赤色ですが、これが時間が経つにつれて茶色く変色してゆきます。
購入する際はなるべく赤い色の物を選ぶようにしましょう。
・ドリップの有無を見る
時間が経った魚の切身からは、中の水分がドリップとして漏れでています。
切身が乗せられているトレーに水がたまっているものはかなり時間が経っている証拠ですので選ばないほうがいいでしょう。
・身に弾力があるかどうか触ってみる
やはり時間が経過した魚の身はどうしても柔らかくなっています。
触ってみて弾力があるかどうか調べてみましょう。
以上が魚の切身の判断方法です。
ある程度の良心がある店ならば切り身にする時点で、魚をさばく担当者が魚の善し悪しを判断するため、そうそう古い魚が並ぶことはありません。
しかしながら、中には利益を優先するあまり市場で安く買い付けた水揚げから数日たった古い魚を並べる店もあります。
また、切身にした時点では鮮度がよくても、時間が経つにつれてどうしても鮮度は劣化してしまいます。
以上のポイントを抑えた上で、自分で魚の目利きを行うようにしてみましょう。
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